製造工程
遠州綿紬が完成するまでの、8つの製造工程をちょっぴりご紹介
かせ上げ
綿軸の原料となる綿糸を、「かせ」(*1)の状態に巻き取ります。
たくさんの糸を、一気に巻き上げていきます。
*1・・・一定の長さの糸を巻いて束ねたもの精練
綿糸を熱湯で洗う事で、植物としての、脂分やアクを落とします。
洗い落とす事により、糸に染(色)が入りやすくなります。
染色
釜の中で、染料を溶かした熱湯をかけ、染めていきます。
蒸気のこもった工場内で、糸が変幻自在に染められていきます。
糊(のり)付け
「糊付け」は、布を織りやすくするため、糸の毛羽立ちを抑えるための工程の一つです。
作った糊が温かいうちに、糸の色毎に、糸量の割合を見て分け、それぞれに付け込みます。
糊を糸によく馴染ませ、均一に糊を付けるために、突くようにして糸に糊を染み込ませます。
糊を突けた糸は、かせ糸の糸目を整えるため、機械でバタバタと少し仰ぎます。
その後、手作業で、さらに糸目を整えながら干し、蒸して糊を定着させます。
干す
「かせ」の状態になった糸を干します。
遠州地方に吹く“からっ風”を大いに利用しています。
管(くだ)巻き
染め・糊付けが終わった「かせ糸」を、「いもくだ」に巻き取ります。
糸が絡まないよう、切れないよう、目を光らせて・・・。
右の写真が、糸を巻き取った「いもくだ」です。
整経
「いもくだ」の糸を、縞の柄になるように並べ、「おさ通し」を行います。
1本1本並べた順に、「おさ」と呼ばれる穴の中に糸を通していきます。
「おさ通し」が終わると、一斉に糸を巻き上げます。
巻き上がった糸たちを見ると、縞の柄が見えます。(右の写真)
機(はた)織り
整経の終わったタテ糸を「機(はた)」にのせ、織り上げていきます。
ヨコ糸(緯)に何色の糸を使うか!?
この時の選択で、イメージがかなり違ってきます。
ヨコ糸の目利きが非常に大事になってくるのです。
一つの織機で、1日に約3〜5反、ゆっくりと織り上げていきます。